緑字生ズ 076 (涙をどこかで……)

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涙をどこかで暖めようと
声を紐にして
音のない窪地を歩く
土の景色は黄ばみ
少年たちの山巓は青い
血管のたぷたぷ、神ながらの花
一六菊を茹でると
湯の中でこわれる太陽
雨の匂いに気づき
田の道から山々を仰げば
樹々は鎖のように枯れ果で
あらためて
死体に死を宣告する

ああ サテュロス
燃える野の……
草の滴が虹のように散って
遠く、あなたに広がる沙漠では
夢の夢が試される