緑字生ズ 168 (八重桜)

168

八重桜 夜の契りの炎の滴

別れ霜 墓地はだらなり灰まみれ

お粥腹、お粥腹 なんたるポリヒュムニアー

くれまどう水に流るる月、炎、首

はたたかな水に流るる草木と血の石

いまだしの眠りの夢よ 桜のいろ桃のいろ

はだごころ蛙のぬめりそのねむり

砂青く山吹に埋みて卒塔婆傾ぎ立つ

翳りなく流らう苦楽、血と百合と

墓をあばき、その生き魂の別の断面