未刊行詩集『空中の書』06: 声の届かぬ部屋 II

声の届かぬ部屋 II

頭蓋骨にしまった
罌粟けしのうすい花びら
インクのかすれた紙幣
怪しげな深夜の誘惑
約束の地への招待状
ひとたびまばたきすると
黄金の都市
ふたたびまばたきすると
悪相の神々
手を触れたときには
光の箭が
夢をつらぬいている