ある医師のストーマ闘病記
(本原稿について)
本文はやむなくストーマ(人工肛門)を造設された医師・紙田治一のストーマについての覚書と、その原因ともなった医療のあり方の問題を、患者となった医師の目で述べた闘病記とで構成されている。
原文はリハビリのために、パソコンで入力したものである。
紙田治一は、リハビリ後、臨床医として診療の現場に復帰し、その後数年を経て他界した。
本文は、ストーマで苦しむ人々と臨床の現場での手引きとして、また医療の現実の内部告発としても読むことができる。
紙田彰・記
(本原稿は、リハビリ中に、1988年、長男・彰の手によってパソコンネット「ASCII NET」等で公開されている)
[後記より]
○参考文献
「ストーマ・リハビリテーション」(進藤勝久著)
「人工肛門・人工膀胱の知識−腸や膀胱のない人の快適なくらしのために」(高屋通子・高橋のり子著)
○後記
私の閉鎖手術をして戴いた、慈恵医科大学第三附属病院外科・伊坪喜八郎教授、平沢正典講師、吉見優医師、医局員、ナースの皆様や気を使って下さった方々へ。現在私は経過至極順調にて、体重も8−10kgの増加を見ており、体力もつき、下肢のリハビリテーションに励み、明るく、ストーマのあった時と違った日々を送っております。早く医師として復帰出来て、患者さんと共に疾病と戦いたく存じます。
患者を経験した医者として、この貴重な体験を今後の医療活動の根幹として役立てることを誓ってお礼に替えさせていただきます。
紙田治一
(未定稿)
[作成時期]
1988