ストーマ装具の各種
A.ストーマ装具選択の条件
a.接皮部分
1.体温で皮膚に粘着する(出来れば粘着剤やセメントを使わなくてよい)物など。
2.体動で剥げたり、落ちたり、外れたりしない物など。
3.皮膚の皺(凹凸)や皮膚の伸縮に応じるように密着している物など。
4.皮膚刺激性がない(かぶれない)物など。
5.剥がした時に皮膚にこびりついたり、黒い物がついたり、また皮膚が赤く着色したり、白く脱色したりしない物など。
6.もし袋が外れても、また激しい体動があっても、ストーマが切れたり傷ついたりしない物など。
7.ストーマに合うように自由に調節して、穴が開けられるもの。手で造形出来るものが良い。ストーマ頭部よりやや小さめ(ストーマ茎部よりやや大きめ)の穴を開けて根本に抑えつけられる物が良い。
8.体温や暑さで溶けたり、形が崩れたりしない物など。
9.皮膚からの取り外しが容易である物など。
10.便や、臭が洩れない物。衣服を汚さない物。ゴムの臭がしない物など。
11.着用したまま、入浴や海水浴をしても良い物など。
12.水や汗に濡れても、材質が変わらない物など。
13.皮膚を保護し、皮膚炎を防ぐだけでなく、皮膚炎を治す力を兼ている物など。
14.長期間の使用に耐える物など。
15.坐ったり、屈んだ時に大腿血管や内臓を圧迫しない物など。
b.採便部分
便を採取し貯留しておく部分で、受便を目的とする器や袋など。採便袋は粘着袋と、非粘着袋に分かれる。粘着袋はさらに捻着嚢と狹義の粘着袋に分かれる。嚢は密閉型のニュアンスがある。
1.着用していても圧迫感や異物感を与えないで、快適な物。
2.汗で蒸れることがない物。
3.清潔で衛生的な物。
4.軽くて丈夫な物。
5.ガスや便が漏れない物。
6.取り扱いが簡単である物。
7.衣服の着用性が良く、外観上目立たない物。
8.経済的である物。
9.排泄状況が一目でわかる物。
10.取り替ぇる時に、手指やベルトが汚れないように工夫してある物。
11.大き過ぎても、小さ過ぎてもいけない。
c.固定部分
ビニールや紙製品等をストーマ周囲皮膚に密着させておくために使う圧抵具(ワッシャー、リング、フェイスプレート等)と装具の固定や固定補強を目的とする支持具(ベルト、コルセット、腹巻等)とからなる。
1.バンドが自由自在に簡単に取り外しが出来る。
2.無意識のうちに外れたり、弛んだりすることがない(1本ベルトでは、摩れやすい)
3.汗が染み込んだり、臭いが染み込んだりしても変質しない。
4.汚れにくいし、汚れても目立たない。
5.伸縮自在で古くなっても朽ちたりしない(伸縮性が強過ぎるものを着用すると僅かの体動で、一方に引っ張られてストーマに傷をつけやすい)。
6.洗濯に耐える。
7.重た過ぎたり、きつ過ぎたりして、邪魔になることがない。
B.ストーマ装具の形(色々の条件を満たすべく、形も研究されているが、一般にどれが良いとはいえない。自分のストーマに最も適した形の物を選ぶことが肝要である)C.ストーマ装具の種類と選び方D.コロオストミー(結腸人工肛門)装具E.イレオストミー(回腸瘻)装具F.ストーマ付属品G.粘着性皮膚保護剤H.ストーマ装具の注文の仕方I.ストーマ装具の着け方J.ストーマ装具の洗い方、保存の仕方