ストーマ合併症
A.ストーマ及びその周囲の疾患
次のような疾患や異状状態があるとストーマ装具の裝着が困難となり、便が漏れるようになるばかりか、続発症をひき起こすことになりかねない。したがって専門医の診察を受るべきである。
A.位置の異常
便を排泄するストーマが骨に近接する場所に造られると、そのストーマの装具は体動や呼吸によって密着性を失ったり移動したりして、内容物が漏れることがある。例えば、肋骨弓のすぐ下に造られたストーマや、腸骨や恥骨のすぐ上に造られたストーマは、たとえ粘着嚢を使用しても、身体を前屈したり、後屈したりすると容易に剥がれて内容物が漏出する。また、鼠蹊部上方に造られたストーマも起坐歩行に支障を来たす。たとえ袋がうまく粘着していたとしても、内容物が溜まってくると、身体を自由に曲げることが難しくなる。粘着力の強いストーマパック(mc・2000など)を使用してみるとか、ベルトを3方向にして固定するとか、洗腸排便法にして装具を着けないようにする。それが無効なら、ストーマの位置を変えて貰った方が良い場合が多い。
B.形の異常
1)過小ストーマ
2)陥凹ストーマ
3)狭窄ストーマ
4)過大ストーマ
5)粘膜突出、脱出(脱肛様)ストーマ
6)下垂ストーマ
7)ストーマ脱落
c.粘膜の異状
1)浮腫
2)出血
3)腫瘍
4)壊死
5)ストーマ炎
d.腸の異常
e.皮膚の異常
1)ストーマ周囲皮膚炎
2)瘻孔
3)ストーマ周囲膿瘍
4)ストーマ周囲蜂窩織炎
5)粘膜着床(mucosalimplantation, MI)
6)偽上皮腫性肥厚(pseudo-epitheliomatous hyperkeratosis, PEH)
7)水腫
f.腹壁の異常
1)ヘルニア
2)粘膜と皮膚との分離
3)開創、腸管露出
4)脱腸(腸管脱出)
B.随伴症状の原因と対策
1.ガス(屁)多発
2.ガス(屁)の音
3.悪臭
C.関連症状の原因と対策
1.腹痛
2.腹痛と腹部膨満感
3.排便困難
4.便秘
5.下痢
6.ストーマ機能亢進
7.ストーマ機能不全症
8.回腸切除後症候群
9.直腸切断後症候群
10.直腸空置症候群
11.不定愁訴(日常生活特に性生活は精神的、器質的その他に起因する場合が多くて複雑であるが、懇切な指導が肝要である)