【登録 2003/08/08】  
紙田治一 遺稿[ ある医師のストーマ闘病記 ]


ストーマについて 7


ストーマ合併症


A.ストーマ及びその周囲の疾患
 次のような疾患や異状状態があるとストーマ装具の裝着が困難となり、便が漏れるようになるばかりか、続発症をひき起こすことになりかねない。したがって専門医の診察を受るべきである。
 A.位置の異常
  便を排泄するストーマが骨に近接する場所に造られると、そのストーマの装具は体動や呼吸によって密着性を失ったり移動したりして、内容物が漏れることがある。例えば、肋骨弓のすぐ下に造られたストーマや、腸骨や恥骨のすぐ上に造られたストーマは、たとえ粘着嚢を使用しても、身体を前屈したり、後屈したりすると容易に剥がれて内容物が漏出する。また、鼠蹊部上方に造られたストーマも起坐歩行に支障を来たす。たとえ袋がうまく粘着していたとしても、内容物が溜まってくると、身体を自由に曲げることが難しくなる。粘着力の強いストーマパック(mc・2000など)を使用してみるとか、ベルトを3方向にして固定するとか、洗腸排便法にして装具を着けないようにする。それが無効なら、ストーマの位置を変えて貰った方が良い場合が多い。
 B.形の異常

 c.粘膜の異状

 d.腸の異常

 e.皮膚の異常

 f.腹壁の異常

B.随伴症状の原因と対策
 1.ガス(屁)多発
 2.ガス(屁)の音
 3.悪臭

C.関連症状の原因と対策
 1.腹痛
 2.腹痛と腹部膨満感
 3.排便困難
 4.便秘
 5.下痢
 6.ストーマ機能亢進
 7.ストーマ機能不全症
 8.回腸切除後症候群
 9.直腸切断後症候群
 10.直腸空置症候群
 11.不定愁訴(日常生活特に性生活は精神的、器質的その他に起因する場合が多くて複雑であるが、懇切な指導が肝要である)

(未定稿)

[作成時期]  1988

(C) Akira Kamita