【登録 2003/08/10】  
紙田治一 遺稿[ ある医師のストーマ闘病記 ]


造設後の生活 3


食事態度について


 摂取物が能率的に体内に養分として取られ、老廃物は速やかに排泄されるような食べ方をすることが望ましい。

 以上はいずれも、胃腸の神経や、血管を適度に働かせ消化液の分泌を促進し、胃腸運動を自然な姿で行なうことになる。


排便


 通常のS状結腸人工肛門の場合、自然肛門と同じように排便するのが普通であって、ストーマのために便秘になったり、下痢になったりすることはあってはならない。もしそうだとしたら、それは異常であるから、医学的な検査と治療を要する。
 もっとも、ストーマは、自然肛門のように自分の意志で排便したり止めたりすることは出来ない。これは肛門括約筋という、肛門を開けたり閉じたりする、輪状筋がないからである。このことは社会生活に支障を来たす重要な点である。
 反面、自然肛門のように大便を我慢することの出来ないストーマは、むしろ自然生活の中では、好ましいことと考えるべきか?……



薬、煙草、酒


1)薬
 ストーマのあることを知っている医師の処方箋に基づいて、調剤され、服用している薬には問題はない。ただし、半年以上も医師の診察を受けずに、薬だけ取りに来るのは好ましくない。時には医師の診察を受けて、より効果のある薬を処方して貰ったほうが良い。また、鎮痛剤や鎮静剤などを連用していると、腸の蠕動運動を抑え、便秘を起こすことがある。体力増強剤(ホルモン、ビタミン、ミネラル)も連用には注意したほうが良い。

2)煙草、酒
 煙草や酒は腸の血行障害を起こしたり、胃腸粘膜を刺激したりするので好ましくないが、少量ならそれほど影響ない。

(未定稿)

[作成時期]  1988

(C) Akira Kamita