運動(スポーツ、リハビリテーショシ)・レクリエーション
1)健康を維持増進し、心身ともにバランスの取れた機能を発揮するためには、毎日適度(腹部に圧力の加わらない)の運動をしたほうがよい。ただしリハビリテーションにストーマの存在は重大な障害となることが多い。
2)ストーマはその適度の運動を決して妨げるものではない。むしろ、それによってストーマの機能が正常となることがある。
3)体力が回復すれば軽いスポーツをしてもよい。もし、ストーマに傷がつくと考えられる場合は、ストーマ・サポーターを着けて、直接に外力に当たることを防ぐようにしたらよい。特殊なサポーターを着けない場合は、相撲、レスリングなどの直接に肌と肌とが接触するスポーツとか重量挙げなどは避けたほうがよい。
通学・就職・労働
1)通学:手術以前と同じく通学を続けてよろしいが、体育だけは実技は体育教師に事情を話し、身体に害を与えるようなスポーツであれば見学程度に止めておいたほうが良い。
2)就職:体力が回復するまでは、重労働や精密作業を避けたほうが良い。また、長時労働は不可能であろう。下痢便の時は休業したほうが良いことが多い。このことは事前に上司に、理解しておいて貰うほうが良い。激しい肉体労働の場合は、それなりの配慮が必要である。
外出・旅行
1)ストーマに対して、装具、附帯用品、下着、ビニール袋、衣服などを十分余裕があるように準備すること、自分の身近に1−2セットを鞄(手提げバッグ)に入れて持つこと。
2)精神的に緊張したり、不安感になりがちにならぬように心掛けること。疲労しないこと。生の飲食物に十分注意すること。下痢は精神の緊張でも起こることがあるので、精神の安定が必要である。
衣類
ゆったりした衣服を着用すること、常に清潔に心掛け、よく洗濯したものを着用すること。ストーマを傷つけないこと。
便秘よりも比較的に下痢しやすいストーマは、衣類、特に下着を汚してしまうので、予備のため、少しくらいは多いと思われる数量の準備が必要である。
魅力的な服装をして気分転換をはかる。
風呂・温泉入浴・水泳
1)ストーマ周囲の清潔のため、頻繁に入浴はするほうが良い。パックを貼ったままでも良いが、貼らなくても水圧で便は出て来ないことを知っておくべきである。
2)水泳やスポーツの場合は、防具をつけたほうが良い。
3)入浴前に必要ならパックは取り替るか、途中で排便した場合に入浴用粘着袋に張り替えるか、お碗をかぶせて入る。身近に装具一式を準備すること。
入浴の注意事項
1)ストーマ部を擦らないようにする、軽く叩くようにして汚れを落とす。
2)水でパックが剥がれないように注意する。
温泉が粘膜を刺激する場合(42度C以上とか、硫黄泉など)は特別に防護するか、必ず装具を着けてストーマが直接あたらないようにする。