【登録 2003/08/24】  
紙田治一 遺稿[ ある医師のストーマ闘病記 ]


私の病歴 1


 ストーマ(人工肛門)について、造設の是非はその疾患によって必要の有無が決定されるが、手術後の患者の苦難の道について、これまであまり関心が払われていなかったのではなかろうか?
 日本のストーマ医療界の現状は、欧米のストーマに対する研究や装具、リハビリテーション、特にE・Tの養成等の進歩に比較すれば、格段の差があることは否めない。まして、一般社会の人々はほとんど無関心か、ストーマ患者を見て、珍しいので興味を持つか、汚いものを見たと顔を背ける程度である。
 では、医師、看護婦、他の医療関係者に理解、研究がなされているだろうか?
 未だストーマのE・Tすらいるかいないかという、ストーマ・リハビリテーションに対して認識、理解度の薄い日本の現状を知る時、自分を含めクランケは空恐ろしくなって来る。
 たまたまストーマを造っていた立場から、一転して造られた方に廻った者として、今回の体験は貴重なものなので、ストーマをテーマとして書いてみる気持になった。

(未定稿)

[作成時期]  1988

(C) Akira Kamita