【登録 2003/06/15】
[
詩篇
]
〈美術衝動〉
(白昼の光線が)
――2003.6.5 初めての個展で
白昼の光線が窓から飛び込む
いや 光線に向かって疾り出す
おのれの翳
その壁にはいくつもの額が吊られ
額縁の中には
いくつもの水彩画が
確乎とした断片を誇示している
ああ! すべてと等しき、ありとある断片的存在よ
光線は流れているのではない
光線は押し出され、衝き動かされ
ものとものとをすり抜ける
そして、宇宙は変わる
壁の高みの、はじまりを描いた
小さな絵が
光の影を用いて
光よりも明るい、その誕生を始めている
紺色の奥深い、吸い込まれるような
闇に向かって
(C) 紙田彰, Akira Kamita.
(未定稿)
[作成時期]
2003/06/05