数十億年前の光の中に巨星の爆発する姿を認めえんとすると、その時点の物質の詳細もつぶさに解析する可能性もまた否定しさることはできない。ある巨大建造物の影をその光の中に認めえたとすれば、建造物は人間の思考の結果であることは言を俟たないのであるから、そこからその思考を解析することもまた大いに可能性がある。
そのようなことをつなげて考えてみると、宇宙のダイナミズムとあらゆる思考を物理的に区別することなどできないのではないか。
宇宙もミクロの存在に遡ることができるとすれば、思考も結果を生み出すエネルギーをもつものであるから、物理的存在ではないと断ずることはできないはずである。
(C) 紙田彰, Akira Kamita.