【登録 2008/11/17】  
[ 句 ]


緑字生ズ 168

八重桜 夜の契りの炎の滴

別れ霜 墓地はだらなり灰まみれ

お粥腹、お粥腹 なんたるポリヒュムニアー

くれまどふ水に流るゝ月、炎、首

はたゝかな水に流るゝ草木と血の石

いまだしの眠りの夢よ 桜のいろ桃のいろ

はだごころ蛙のぬめりそのねむり

砂青く山吹に埋みて卒塔婆傾ぎ立つ

翳りなく流らう苦楽、血と百合と

墓をあばき、その生き魂の別の断面

(C) 紙田彰, Akira Kamita.

詩集「緑字生ズ」から、句を転載。

(未定稿)

[作成時期]  1987/07/30