風がとまったとき 見えなくて
風は風の中を 見失って
かわるがわるか悪がワルかとか
空はスケルトン 空腹な な
無は無であることを 含める ことことも
状態でも さかしらでもなくなく
空はからっぽ 空という枠組み
とりととめもなく 饒舌と情熱!
齢は加速する、か……
あなぐらから脱け出るあなくろな
いくばくかはあなろぐなの相転移
○炎る夏かさねて夜もあかさたな
味見してして 一個
根野菜がぎっしりり! 一個口
一方的にまきちらされた放射能だ 定量的にとかとか
年齢的には気にしても も とか
勝手なことを 押しつけられれ
いつまでも つづくつづく夜だ 夜だが
奥方の庭の色とりどりの トマトの鮮やかかさ
キタミの朝のはじじまりは
カネイシさんの荒っぽいドライブ 思いがけなく
エゾシカがいく どどと 飛び込んで
――*の女房は*にゾッコンとシオタさんに聞いてどれくらいにゾッコンか、多分見に行ったのでしょう。そしたら、ほんとにゾッコン、夫に惚れ抜いている。(タイラカさん)
惚気も国家も それれらに翻弄される
人びとも 哀れなるるか
「『馬引事典』を作るのが夢と語ってくれた」
あややしげな女性の名で
「繰り返し『呼吸』して
最後かもしれないから」
気まずい別れだが 放ってもおけなな
むずかしいところ それも とも
べつべつの問い合わせか みょうみょうねこなら
「もう、どこにもいない
かけがいのない貴重さとまぶしさ」
「甘えるのも少し気が引け
すぐに一個とスライスした数枚のチーズで
友人の八百屋のヤオシンのご主人のほうから」
仕事を怠けて片付けものもの ばかり
プラネタリウム・チェアをつくつくり
若い連中なので 放射能は避けたく てくてく
「塩加減はベスト、茹で方もベストでしたよ。黄身の中央部のとろみも固ゆで好みのぼくには」
仏壇の引き出しの魔除け (!)として しまって
生意気に どちらが いっそ うそ
夜昼逆転して 昼の世界から ははなれ ばなれ
身軽にならなければ なれ
○年の瀬のあわただしくもあり切なくもありあり
ふたたび皮がふくくれてから 湯をきりきり
せいじかでしがない器に
「あの種の青はいいですね」
正月も日常日常も非日常
わけのわからないゆゆ
にくぐらせる にたっぷり
ひらがなだとおやじとひとさじ
ひらがなのほかにあるか
達磨となりて一歩 外に出ぬことはない
ひきこもりでくよくよ
世の中とは縁がない よくよくよ
「原稿だけはカットしないで、とってて下さい」
にんにくねぎやにらなどをたっぷり ぷり
「はや不要です
備えがつねには必要でないから」
私とともに散逸するに ちがいなくなく
「たくさんめうつりするほどにあり」
久しぶりに声を 眠いの の
非日常的 きもちがたかぶるぶる
知性のかわいた諧謔性
鋭角的で繊細な思考
イメージの織物 造形的な夢
つながっていることばのなかに特有
情緒情感とは異質 のこと ば
それ自体のしっとり とりと 断じて
物理的なものの アトモスフィア
光の暈(かさ)のがの つよいよい
理由なのか のか
「同系になりがちで破棄寸前の気分
なかなか自身の影響から抜けられない」
家族それぞれとの思い で旅行
「いつか見たいと渇望し
死ぬのは北海道がいい!
両手指の先端のしびれとはれが引かず」
青年たちの人骨が集められ むねがいたた
ひびくものを感じるか あさましい
おもいの中心に 巨大魚のおもさしろ
アモックなまずの串焼き 蒸し料理をたべたべ
サトシとの 最初で最後の短い
旅は終わるる ジンズとのは
次の旅で 果たせるもののか
気持ちが平坦で、何も出ててこない
ごめんなさい こんな明け方ばかりで
薄暗く寒々しい嵐が 丘が 懐かしくが
東京の夜明けも嵐だったが が が
「わたしも疲れてきましたよ。堂々巡りでうっとしい気分に」
買ってくれた人も 画家も盲目なの かの
時期を数え損なったなど ジンズに
「いつか 詩であれなにであれ書いて送ってと囁いて」
突然の真夏なり 頭がくらくらくら
ベランダの蝉しぐれにうたられら
「喜んで跳び上がる」
間に合わなければ、五ドル札でしらんぷり
がらがらへびの劇場 fiverで映画をみて みる
○秋雷に攫はれもせぬ夜長かな
人間に物理的自然は 太刀打ちしようもなく
みょうみょうな気候がかわるがわるで
悪が ワル
なのは人間のほう だろうか だろう
別院のことなのか 奇妙法といえなく ない
生死の義理立ててとか
かかかわりについては つまびらかにするを を
いやな愚痴が出てくるのもいや いや
「アルコールは抜けましたか」
いろいろいろあるるの
どういうかかわりがあるのかないのか ある
「やはり、ぼくは北海道がいいなあ」
時は過ぎ、齢は朽ちるる
肉体は滅びゆゆく
ああ、人の世のはかなな
人間(じんかん)の悲哀なる かなかな
このところろ 見る洪水のゆめゆめは
大津波のせいか が
体内溺死を暗示してか が いずずれ
人類は在大気圏の水中生物なるや やや
○送り火の蝉の形にをがらかな
眺めてみてもいいものの ざっと
あらゆるものに永遠はないかが
有と無は同一ののことだからが
在らざるもののを考え え
在らざるものものを作り出すかの
その輝きにこそすべて あれあれ
「自然の産物たる『頭脳』の不完全さに対する深い理解
地球というありふれた偶然」
宇宙に始まりと終わりなどないない
アンコール・ワットで 喰うのエネルギーをえられず
もさもありなんなん
なまずはなまずですなま
カンボジアではこの魚の頭と尻尾が いたるところろ
モニュメントとして蔓延して いたた
記載しておけば死蔵せずに
メールを書いていると、なにやら気力が立ち上がる
なにやら詩人とは 交流をもったいない
歳をふると、時間のたつつのが早い
自分の動きが遅いい 怠惰になっている
何もやっていないのに忙ししい やることが
やるがが 増えつづけ
「限りなく広がる外部」
冬にさらわれないで
「静かな水泡が声とともにはじける」
いろいろなことことを整理し 身軽に
医者を信用できない 慎重ににして
あらゆるゆる苦痛は
がまんすれば 事態は終わわり
慣れてしまい 順応するり
生命は 過酷な環境の中で 一歩ずつつ
前に進むしかないか ない
人類は 地球のみなそこで溺れかかって
魚類から 一歩 も出ていないない
時代は終わっていて 海底で衰弱していくいく
回復する努力は 水の中の宝石なのだっけ
元気なときでなくともも 必死なと きき
宝石の夢を信じられられるかが
必死にリハビリビリに挑んで
気づかずとも 体がかるとに踊りだす
生地を一度は見てみたいだけの
さっと行ってすっと帰ってくる
たびたびメールよ、とどどけ!
「馬というのはなかなか言うことを聞いてくれません」
○ゆめまくら疾走もものかは東風居士
リウマチのせいでいろいろいろ
ベッドがセミダブルなのでこのほたる
半熟は奥方用、完熟はカネイシさん用
「青二才のごとくに交信できたら」
ありふれていななければ味付けは
始発が動いているので 脳味噌が新鮮だ
詩は脳味噌料理だから
燻製の半熟卵ができる
半熟詩人だから 半熟の文字卵
脳味噌の老化のせいか
夏の廊下に幽霊がゆ~らゆら
この魅力が怖さをりょーが
絵と画材でごった返し 泊めるのは無理と
家族もみな、逃げ出してしまうていたらく
「なかなか筋道がみえず、多分時間は足りない」
性格上、最後まで分からないない
「性格を曲げて、是非
少し残暑が厳しかった」
あの彼女だったか 分からない
締め切りもも 知らされず
版面や行の位置がずずれない 引用もどき
起きだして、ごそごそごそ
フランスパンに燻製サーモンと
いももサラダを
○この齢をしていじきたなくもへらへらと
余分の人生のさらにおまおまけ
すでに出る幕はない ちょっとへんな
こともろくももくろみもはてる
土地となまえも動かすことはない
「夢にかえるのか、かえることがゆめなのか」
はじめての生まれ故郷 生まれがはじめて
どこまで先に いけるかとかとか
「残るものはどうあっても残るだろうし、よしんば残るべきでありながら散逸したとて、まそれはそれでしかたがない」
では、よろしく 寝ます
仕事あたまま、アルコールも抜きき
句もなにもも 浮かばばない
「読むのが夜中とはかぎらないので
何かかえって恐縮ものです」
悪い記憶なのだが、これを開くとわくわくする
「わたしの侵入をはばんでおります。ふふふ」
問題はありませんね 回答も
洛陽で紙を求めても まわりもも
ある人物へのVia Airを はっそうし
知られざざる家族の はじまりの の
ふるいふるい空気にふれれれば
「何を記入したら開けますか?」
なにもしないで、無視して
そして 考えていることが
分かりかけてきたのか が
*「 」の文は、金石稔氏との交信メールから彼のことばの引用。
(C) 紙田彰, Akira Kamita.