【登録 2002/09/15】  
[ 断片 ]


〈Buried manuscript〉

凧上げし

凧上げし
夢見る

凧上げし
幼き頃を顧みむ
一朝だにも
今は儚き

富士の山
ここ幾年も
とんと見ず
新年こそはと
夜ぴいて呑む

年の瀬に
慌しくも罷りをり
猿酒旨し
星月夜かな

初日の出
明朝占う
夢見の卦なれば
いかにせむとも知られざらまし

二日酔
屁とも思はぬ
こともなし

新雪に
照り映ゆりをり
朝日かな
手褄を取りて
懐手するなり

年の瀬に
あはたヾしくも
罷りをり
猿酒旨し
星月夜かな

猿山に登りてみれば
初日の出 太平楽
明日は夢見の
占い

猿山に
登りてみれば
春日なり
寄りて遊べや
優しき獣

呑むならば
またも注がうか
祝酒
うたたね三昧
松内なればなり

(C) 紙田彰, Akira Kamita.

(未定稿)

[作成時期]  1978/99/99