【登録 2002/09/15】
[
詩篇
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白い貌を
白い貌を闇の中に浮かべ
青味がかった唇で囁く
頭の中を音楽が疾る
蓋が抜け飛ぶような
宇宙の唸り
麦酒を写真に零すといけないわ
粒子の粗いモノグラム
麻薬は会話の端々に漂う
いないのは霊だけだ
屋根を叩く雨
赤い傘は黒いコートによく似合う
酔っぱらってしまったわ
鼻の大きな男が獣のように笑う
細い糸のように絖る蝋涙
胃の中に香水を
カードを配るぞ
覚悟はいいか
舞台を飛び廻る布
錆びた黄色
筋肉が握る弓
花束の中に仮面を匿す
唇に紫色の毒が塗られる
囁きかける舞姫は
乳房に静脈を泛べ
體を開く
(C) 紙田彰, Akira Kamita.
(未定稿)
[作成時期]
1989/99/99