【登録 2002/10/08】  
[ 詩篇 ]


〈十四行詩〉

和かな日々

女と餓鬼を残して
別の女から また別の女へと
世事などいうは簡単きわまる
海を見ようと思い立って
川づたいに下ってゆくと
蚊取線香が豚に食われている
目やにのいっぱいついた男たちが
尻から酒壜とりだしては
元気よく挨拶
年々歳々などといわずとも
宇宙の青い尻尾は
とぐろ捲いて
死の穴へ
さも楽しげに吸われてゆく

(C) 紙田彰, Akira Kamita.

(未定稿)

[作成時期]  1978/99/99