【登録 2007/01/01】  
紙田彰[ 断片 ]


タマネギ理論

包含-被包含の連鎖の構造を、タマネギの皮をドーナツ状に重ね、さらに中心がなく、またこの構造の外側がない状態としてイメージすると、極小と極大、量子と宇宙との連なりを思い浮かべることができる。
つまり、極大が極小を包含し、ついには極小が極大を包含する、また宇宙が量子を包含し、ついには量子が宇宙を包含するという、ある種循環論じみた考えである。
ここでわかることは、中心点がないので、論理的なゼロ点を設定する必要がなく、被包含の実体の実在がつねに示されるということであり、タマネギの外側がないので、実在は大小にかかわらずこのタマネギの適用範囲に限定できるということである。
また、極小が極大を包含するということは、超ひも理論のカラビ-ヤウ空間におけるフロップ転移をイメージできるかもしれない(引き裂かれたカラビ-ヤウ空間に新たなカラビ-ヤウ空間が作り出される。カラビ-ヤウ空間とは、ひも理論の示す新たな空間次元の幾何学図形)。
量子論が量子的サイズのビッグバンの問題を包含し、ビッグバンの問題がその後の130億年の宇宙の極大を包含する、ということである。
ここでは、空間のサイズ、時間のサイズはスケールの問題であり、スケールは「見方」の問題であるから、スケールはついには「実在するかしないか」という目盛りに集約され、サイズも「あるかないか」の「ある」に示される極小サイズに集約される。つまり、プランク長(1.616×10-35m)といわれるものである。

(未定稿)

[作成時期]  2007.01.01

(C) Akira Kamita