【登録 2008/04/17】  
紙田彰[ 断片 ]


〈存在と宇宙論〉
内部に向かって

宇宙は増殖・拡大しているのではなく、つねに一点のまま、内部に向かって細分化、詳細化しているのではないか。空間と時間がないとすると、そのプランク・サイズの一点に、これもプランク・サイズの細分化した実在が重ね合わされている。つまり、宇宙にあるすべての物質がすべて中心にあり、全体であり、重ね合わされている。
プランク・サイズの妄想と変わることのない実体――。

重ね合わされている粒子は波動の性質を持つ。
量子サイズの物質は、重ね合って存在している(せざるをえない)ので量子の性質を持っているのではないか?
プランク・サイズは最小のサイズであるから、このサイズのものは重ね合って存在することしかできないのではないか。時間も空間も最小のサイズであるならば、分離しても、ここに重合するしかない。
つまり、ビッグバン以降の実在は、そのプランク・サイズの一点に重ね合わされている。宇宙は膨張しているのではなく、内部に向けて、それ自体の分離を繰り返し、重ね合っているにすぎないのである。

(未定稿)

[作成時期]  2007/12/05

(C) Akira Kamita