【登録 2003/10/09】  
紙田彰[ 詩篇 ]


街角の一瞬
――2003.9 二度目の個展前後


違う人生が入り込んでくる
異質の空間のはずなのに
部屋の中から、突然に
日常の街路が出現する
日常の会話と人々の日常の生が
そこに立ち現れる
異質の空間は越境され
とまどいを覚えるが
これはどうしようもないことだ
こちらの存在が日常に侵蝕されて
まるで異物のような気恥ずかしさにおののいて
自分の部屋が
いきなり街路のまん中に放り出されている そんな
人々には この部屋が
通過する曲がり角、交差点、休憩所のように
やはり日常でくるんでいるものなのに違いない

(未定稿)

[作成時期]  2003.09.26

(C) Akira Kamita