刻印
私はなぜ刻むのか
私はきっと細胞のように、あるいはリボゾームのように
赤血球のように、白血球のように
あるいは癌細胞のDNAのように
それぞれの存在の叫びを取り上げるために
きっと刻んでいるのだ
刻印される線分のそれぞれが
彼らの抑圧に対する闘いだから
私という肉体が、精神が、意識が
彼らを抑圧している元兇だ
そして また私も
私を抑圧しているものに対して
自由への闘いを
キャンバスに向かって
刻印しているのである
2005年6月「第8回個展」会期中の断片
(未定稿)
[作成時期]
2005.06.22