(絵を描くという行為は)
絵を描くという行為は、宇宙論的な体の傾け方をもつことで、肉体も、精神も、意識も、存在の単位の構造全体が自らの闘いを始めるのだといえる。
およそ、生きることも含めて、存在の哀しみというものは、こうした永遠の、非和解的な闘いを生きていくところに本質があるに違いない。
それは創造することであり、ないものを唯一生み出すことで、あらゆる抑圧と闘うことができるのだ。
ないものを求めよ!
あらゆる価値にまどわされるな!
それらはただの一瞬の悪夢に過ぎない。何かと引き換えにしようとしたときに、その悪夢の餌食にされてしまうのだ。
ただ、つくりだすこと。そこにしか行為の充実はない。
2005年6月「第8回個展」会期中の断片
(未定稿)
[作成時期]
2005.06.22