【登録 2006/04/19】  
紙田彰[ 詩篇 ]


(選択的実在というはがれが)

選択的実在というはがれが
幾層ものめくれからこぼれていく
ときには あまりに緩やかに
あるいは 過激なまでに劇烈に

点よりもわずかばかりに長さのある
そのことが発端であるのか終端であるのか
削除であるのか密封であるのか
隠蔽それとも新たな複合

断じて侵されてはいけない
この手が体が思考が
平面を色彩を刻印を
次々に実在させていく 解放していく

それは 宇宙を磨いているに違いないのだ
鏡のように磨いて
その中に体を入れていく
光の先が閉じるまで

2006.4.24-29 第12回個展に寄せて

(未定稿)

[作成時期]  2006.4.19

(C) Akira Kamita