未刊行詩集『空中の書』17: エリニュスの裔
エリニュスの裔 眷属の声 幽霊を見ていた。 肉体と魂の分離の術を試みていたとき … 続きを読む
エリニュスの裔 眷属の声 幽霊を見ていた。 肉体と魂の分離の術を試みていたとき … 続きを読む
酔眼の微笑 眼の中に点々と注がれるものが純水であるとするならば、おまえたちの滂沱 … 続きを読む
(林檎の研究を) 林檎の研究をしている友人に次のような話を聞いた 虫が涌くときに … 続きを読む
魂の滋養 受話器から洩れる魂の誘惑 あくことない耽溺 室内の細い光が街路へ抜ける … 続きを読む
脣の赤い少女 睡りの前に少女のかかとを見る ガラスのように尖った神秘が眼の中を疾 … 続きを読む
道 夕暮どきともなると、樹々のざわめきの奥に見え隠れする獣の対になった姿をみとめ … 続きを読む
古い砂 砂上の皺に数十億の蜜蜂が群っている 独り涸いた丘陵を駈けたのは瞬時の眩惑 … 続きを読む
頭蓋骨モデルから伝わるもの 闇の傾斜を、張りつめた糸が重なるように、かさかさに涸 … 続きを読む
透明な卵 球体の中に世界が視える 老いた書誌学者の説によれば つがいの巨人族の … 続きを読む
声の届かぬ部屋で 包みを開封すると 押花の罌粟と 頭蓋骨の破片とが 雪のように … 続きを読む