孤島 (実験詩集「浣腸遊び」, 1974)

反照を浴び 陽を
垂らす 畑の彼方
影がからまわり
地下生物の 浅い
睡りからさみだれる
死の音しずく
塩辛い気流の裂く
黄金色の眼の玉

 III
鏡の玉を嵌め放尿する
甘酸っぱい純白の貌が流れる
雪片はうたにとけて灰ふぶく
  ――姦淫もしくは悪意の処刑。
冷えこんでゆく天の午後を
逐とせ 舌の顫える粘膜で
白骨 白骨 をぬめる精液
死瞳の口寄せによる 集団自殺
呪われよ 果てない
永遠に塞ざされて

 灼光の察知する
 双頭のデスマスクによる
 予言解読 何万サイクルの
 荒天による輪廻 だが
 神聖のかけひき ためらいと
 悔悟のつまびきによる 火の使徒
 燃える銀河に航り出す
 方位の閃光

島は
単つの瓦礫からなる