未刊行詩集『strandにおける魔の……』06:

 船型の家屋 は壁を隔てた空虚に まんざらでもないふうに怒号を送る

聖霊どもはどこに逝くのか
思考の滑降という単純さをよそに
燭台が運ばれ
食器 砂時計
唇のスープとか
星の刺青
祈りとか
ごたごたがやがや
主催者抜きのディナーが
血の雨だ
翼を広げて地底に閉じ込められるのは
誰か

尖端
飢えた魚
とりわけ 背中から尾へと開いた
ウラウオ シリウオ
ザリガニの礼拝
油断をすると 痛っ!
坂を転がり
首 首 首
疼く海
声の柱
ぬけるような青さで
背骨を貫通