未刊行詩集『strandにおける魔の……』14: astérisque

瓦解! 反応! へど!
上気する! 緑! 陽射し!
言外の反射! 停止感覚!
迸る! 毛! 毛!
割れる! 割れる! 破れる!
ある晩の陳述
装飾的現実という景色
計算高い二日酔い 卵気分のほろ苦さ
アイトーンの翼をかき毟れ 押さえつけろ
律動する 慟哭する 三半規管
ある異常な精神の満ちる夜もすがら
蚊柱の立つ 穴 墜ちる 家具
未然に 空よ rubyの降る
あの痛みよ
這いつくばう眼球 建物の内部を
話してごらん みょうみょう猫 奥付から
立ちのぼる 翳が凍る 赤道直下
原因とは 凄惨 つらぬく平仄
まばらにくりぬかれた 脳髄
また たちどころに消失する
法外な 過去 一時の代入
呪い 声なき語りかけ 分岐よ
爬虫類の あくなき 空漠 指
食器 つまり汗腺の断面図 襲いかかる
分析 分離された異和
駆け込んだ門の柱で行き止まり
動かぬ肩 律法が集中している
暗黙の了解 不文律の塔 ああ 歯軋り
壜の中の弁明者 巨人 膨れあがる猿面
苛立つ記号 目前の痕跡 薄い熱よ
風が粒となる
屍 屍 剥がれつづける夢精 うすっぺらな排中律
さまざまな女神の毛 鼻から生まれる識神 平坦な視野
見えない 定めない こぼれる虫 こぼれる頬 匂いやかな末端