未刊行詩集『空中の書』22:

時計の針を
神話の錘りとする
いまや聖霊たちの夜宴
星は
都市の遺構にまで
悪意の粉片を積もらせる
寸秒の女神が
悖徳の詩人と交接する
左手には習慣性のある怒り
右手には焚書に供するノオト
筒先には禍いの脣
そのような人体は
いかなる存在とも同じか
いかなる未来とも交わらずに
永遠の滴として
尖った針に姦される