見夢録: 2016年09月01日-30日

2016年09月03日 15:34
【かけら】
PP20150622. Akira Kamita, Acrylic, Ballpoint pen, A3, PP
PP20150622. Akira Kamita, Acrylic, Ballpoint pen, A3, PP
⇒Works

■2016年09月04日 07:12
【かけら】
(『豚と軍艦』についての覚書)
――今村昌平『豚と軍艦』

今村の土着的な感性は、朝鮮戦争後の横須賀の裏町に生きる人々のたくましさに十分表されている。
豚にまみれていく、その生々しさと逞しさ、欲望も死体までもその中に組み入れていく、その感覚と思想はただならぬものである。

2016年09月04日 15:34
【かけら】
(“A Clockwork Orange”についての覚書)
――Stanley Kubrick『時計じかけのオレンジ』

暴力とファシズム、ロボトミーあるいは精神療法による権力の支配、時計仕掛けのオレンジになっていく人間を、近未来カリカチュアによって風刺する。
1970年代前半は、世界中の若者の間で、とくに「暴力」とセックスが自由と権力の問題において本質的なテーマとして論じられていた時代であったが、当時においてもこの作品は尖端的であり、衝撃性を持っていた。

2016年09月04日 22:55
【かけら】
(“A Clockwork Orange”についての覚書)
――Stanley Kubrick『時計じかけのオレンジ』

キューブリックは、いかなる「暴力」をもコントロールしようというファシズムの時代の到来を予期していたのであろうし、それは根源的な怒りを失い、権力の側についていく人間への強烈なアイロニーとなっている。

■2016年09月05日 06:20
【かけら】
(“A Clockwork Orange”についての覚書)
――Stanley Kubrick『時計じかけのオレンジ』

近未来社会の描像はお手のもので、ポップアートやシュールレアリズムの造形をいやというほどリッチに登場させている。これはなかなか楽しい。
また、独特のスラングによる言葉遊びもふんだんに用い、さらにイギリスの不況やパンクなどの反抗風俗の登場をいち早く見抜いている。

2016年09月05日 06:29
【かけら】
acryl_2016_02_02, Akira Kamita, 2016.02., paper, acrylic, A3
acryl_2016_02_02, Akira Kamita, 2016.02., paper, acrylic, A3
⇒Works

2016年09月05日 09:36
【かけら】
(“A Clockwork Orange”についての覚書)
――Stanley Kubrick『時計じかけのオレンジ』

しかし、近未来とはどちらに転んでもいつもたちの悪い世界となるのだなあ。

2016年09月05日 16:09
【かけら】
(“Hotel Rwanda”についての覚書)
――Terry George『ホテル・ルワンダ』

1994年末のニュースで、日本でもこの虐殺が放映されていたのが強く印象に残っている。
フツ族の若者たちの持つ長い刃物が、ツチ族の被害者の脇腹からすっと入れられると、その体は抵抗もなくくずおれていく。ニュース映像ではあちこちで繰り返されるそのような行為を幾度となく映し出す。なんという、簡単で明瞭なな殺戮。
そして、膨大な数の死体への道。人間の体がなんともろく、軟らかいもので作られ、支えられ、薄っぺらな刃物がいかにその肉体にするりと滑り込んでいくのであろう。
そのような印象があったことを、この映画で思い起こした。恐ろしいのは、それらのことがすでに私の中で遠い過去になっていたことだ。