見夢録: 2016年09月01日-30日

2016年09月18日 07:26
【かけら】
Super-string : Pieces of D-brane 2, 2008.5, oil, canvas, F3(22.0 x 27.3cm)
Super-string : Pieces of D-brane 2, 2008.5, oil, canvas, F3(22.0 x 27.3cm)
⇒Works

2016年09月18日 12:03
【かけら】
(“Welcome To Sarajevo”についての覚書)
――Michael Winterbottom『ウェルカム・トゥ・サラエボ』

けれども、合間に流される実写フィルムは、悲劇の真実のひとかけらなりとも我々に現前させているという意味では、たしかな衝撃をもたらし、どんな戦争でもすべて許すことはできないという強い気持ちをよみがえらせてくれる。

2016年09月18日 20:32
【かけら】
(“Rebellion: The Litvinenko Case”についての覚書)
――Andrei Nekrasov『暗殺・リトビネンコ事件』

このドキュメントに登場する人物はみな、殺戮者の目つきをしている。
とくに、KGBを母体とするFSBに関係するロシア人は殺人経験者ではないか。
この監督アンドレイ・ネクラーソフにしても、同じ目つきをしている。リトビネンコ夫人にしてもだ。

■2016年09月20日 13:58
【かけら】
(“Rebellion: The Litvinenko Case”についての覚書)
――Andrei Nekrasov『暗殺・リトビネンコ事件』

この映画は、こうした殺人者どもの内部抗争のように見えるが、そこにはどこにも真実と正義が見えてこないのだ。
ロシアという特殊な世界、極度に統制化されたことのあるこの社会では、秘密の殺戮などは秘密裏に公然化されているようだ。一般の人々においてもだ。

■2016年09月21日 05:45
【かけら】
(“Rebellion: The Litvinenko Case”についての覚書)
――Andrei Nekrasov『暗殺・リトビネンコ事件』

いったい、この映画の訴えるところのテーマは何なのだ。権力闘争の残滓が浮かんでいるだけだ。
出口のないまま、宙に浮いて。
しかし、この不思議な世界と事件は、事実としてドキュメントとなっているわけだ。作為的なものでもないのだろう。その意味では、本当の世界の恐ろしさなのかもしれない。

2016年09月21日 22:23
【かけら】
Super-string : Pieces of D-brane 1, 2008.5, oil, canvas, F3(22.0 x 27.3cm)
Super-string : Pieces of D-brane 1, 2008.5, oil, canvas, F3(22.0 x 27.3cm)
⇒Works

■2016年09月23日 09:56
【かけら】
(“Rebellion: The Litvinenko Case”についての覚書)
――Andrei Nekrasov『暗殺・リトビネンコ事件』

けれども、この映画自体はなにも解決することもできないし、権力者からも、ロシア人からも相手にされずに消滅してしまいそうな気がする。
志がない、信念がない、覇気がない。

■2016年09月24日 06:46
【かけら】
(“12″についての覚書)
――Nikita Mikhalkov『12人の怒れる男』

チェチェンで両親を殺害された少年が、モスクワで養父となったロシア人の元将校をナイフで殺害したとする裁判で、陪審員制度によって12人の陪審員が繰り広げる裁定劇。
1957年のアメリカ映画を、2007年にロシアでリメイクしたものだが、多民族を抱えたロシアの現在、ロシア人の冗長性と理屈好きの伝統、チェチェン紛争の問題などを絡めていく。