【詩篇】紙田彰
句 つらるゝ舞姫
――土方巽の第一番の弟子にして、稀有の舞踏手・芦川羊子の誌上舞踏に寄せて
仕掛のある部屋 腰の流れ 物的な糸
つまづきつ 鉋に削らるゝガラスの箱
足首のダンサーの睡る花 曲線の
泥
(
ひぢ
)
耳よりの目と口 畳みかける今といふ病
骨になりぬべく踊るよ ほら精神!
(初出 詩誌『緑字生ズ』第5号/1985年12月刊/発行人・紙田彰 1985)
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Akira Kamita