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詩集「空中の書」

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声の届かぬ部屋で

包みを開封すると
押花の罌粟と
頭蓋骨の破片とが
雪のように
部屋を蔽った

宇宙モデルとして
愛していたおまえのかけら
不思議な匂いを醸す
透明な和紙

いまや 便りを告ぐるべき夜
夜を忘るべき睡りの中で
壁をへだてて
硯をする音が
鼓膜につたう