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紙田 彰による 詩的絵画の試み
第9回 紙田彰 "Super-string Theory" [画廊企画]
poetic art by KAMITA, Akira |
oil on canvas, 6.51×1.62m | |||
Super-string Theory |
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oil on canvas, M4(19.0×33.3cm) | |||
<Super-string> 立ち上がる解放衝動 |
(境界のない絵) ――2003.9 二度目の個展前後 紙田 彰 境界のない絵を描こうとして考える。 ひとつは、物質と物質の間に果たして境界があるのかということ。 もうひとつ、作品は境界によって囲まれているが、これは作品が世界を切り取ってできる断片ということではなく、位相が異なった場所から覗いているから、境界めいたものがあるような按配になっているだけで、実はこれは境界ではない。 つまり、位相と位相の間にはたして境界があるのかということである。 ここにきて、では境界とは何であるかという問題が浮上してくる。 境界とは区別する/せざるをえないときに出現するものだが、そのときこちら側とあちら側は区別されているのだろうか。 物質が永遠にその外殻を壊しながら「区別」の内部へと辿る、その先の結論は、空であり、無であるとすると、その区別、すなわち境界は無へと向かう道筋を作っていることになる。 つまり、境界、あるいは枠は、こちらとあちらを行き来する通廊なのである。 その通廊はあちらともこちらともつかない、曖昧に混淆した「両存在」とでもいうべきものなのだ。 そうすると、あらゆる独自存在は、あらゆる全体と一気に結合する宇宙包含とでもいうべきエネルギーをもっていることになる。 独自存在は核融合反応のように、境界を貫通することができるわけである。 (未定稿) [作成時期] 2003.09.26 |