紙田彰の世界 INDEXへ


Copyright (c) 2004- Akira Kamita
紙田 彰による 詩的絵画の試み

作品[自由とは何か]

作品の付録として計画された制作過程の記録



[F100号(162×130.3cm) 油彩 キャンバス]

poetic art by KAMITA, Akira



この記録とその公開は、作家にとって作品行為とはどのようなことなのかを探る試みでもある。
作家は存在のあらゆるレベルでの解放を目指しながら、作品に求められた結果に到達する。


●"自由とは何か"のスタート
 仮題を「誕生」として、制作を開始する。
 5層になるべき作品の制作計画をデッサンする。
2004.7.12
●第1段階――下地づくり
 キャンバスに絵具で色をつけたジェッソで下地を作る。
2004.7.13
●第2段階――重力の予感
 赤をテーマにした第1層。
2004.7.14
 第1層をホワイトで蔽い、削り出す。
2004.7.16
●第3段階――宇宙の形成あるいはDNAの予感
 渦、螺旋などによる第2層。
2004.7.19
 第2層をジンクホワイトで蔽い、削り出す。

(削り出し部分を拡大)
2004.7.20
●第4段階――フレアあるいは磁気リコネクション(つなぎ変え)の予感
 太陽風、地球磁性体による第3層。
2004.7.25
 第3層をパーマネントホワイトで蔽い、ナイフ、ニードルなどを用いオートマティズム感覚による刻み込み。
 妄想あるいは細胞たちの解放の予感。

(彫り出し部分を拡大)
2004.7.27
●第5段階――あらゆる自由の発現の予感。
 いまだ収斂されざる存在の瞬間。
 下絵をマジックインクでキャンバスに写し、インディゴで描き込む。次の段階の予定にしたがって、グレー、白で、中心線からのグラデーションのために重ね描き。
2004.8.8
●第6段階――光による抑圧の予感。
 第4層。イエロー、オレンジの絵具の乾きを待つ。中盤以降では、速乾メディウムは使わない。
 レモンイエローライトからパーマネントオレンジまでの光のシンボル色によって、あらゆる存在を蔽いつくす。すでに、自由は光によって抑圧されているのか?
2004.8.16
●第7段階――自由への期待の予感。
 第5層。放物曲線を引き、グレーにホワイト、ライトブルー、インディゴなどを加え、グラデーションにする。彫り込み、研ぎ出しを経て、中央部分のまとめ。
 存在の解放、あるいは光の向こうに仄かに見える完全なる自由への期待は、ここから望むことが可能なのか?

■「自由とは何か」への到達
2004.8.24
●第8段階――「自由とは何か」の完成
 境界、あるいは曲率を水平線で示す。プルシャンブルーとポピーオイルでグレージングを繰り返し、調整。
 外から内部への抑圧、内部から外の闘い、繰り返される全体化(ファシズム)、そしてあらゆる存在の自由への意志、その闘い。作品のタイトルを「自由とは何か」に決定する。
BACK


紙田彰の世界 INDEXへ