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詩集「空中の書」

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声の届かぬ部屋 III

青鹿毛の馬の背に
咒文の書かれた服を着て
闇に溶ける者がいる
しだいに数が増すかと思うと
一箇の鏡であったりする
肘に疼痛を覚え
こうして肖像を描いているが
いまだ精神の愛撫
めまぐるしい確率論
黒革の手帖に
新たなる神の名が加えられ
不浄の匂いが広がっている

数字という名の首