ぶらり宿六ひとり旅 019 |
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12月6日 【東京】 To: LBH050 (10084:LBH050) From: UNP063 Delivered: Tue 6-Dec-88 6:42 GMT Sys 7014 (10) Subject: 'ok3:45pm 6' Mail Id: IPM-7014-881206-060370001 Acknowledgment Sent 子供たちのセーターが届きました。鏡子がさっそく着てみて大喜びしています。 とてもかわいい模様ですね。最初鏡子が薄色の方だと思ったようですが、サイズを合わせてみて、ああこっちだねと納得していました。とてもよく似合います。大きさもぴったりでした。チクチクしないし、やわらかいよ、と大満足でした。 お義父さんに電話しましたがまだ帰っていませんでした。玲子さん(小田原に嫁いだ妹)のところにもいないので夜になったらもう一度電話してみます。 AOさんから電話がきました。ハガキが届いたそうです。気をつけて元気でやってくださいとのことです。そのほかにも、MさんやSBさんなど、ハガキが着いているようです。 こちらは仕事、がんばっています。そちらもあまり無理しないでくださいね。 子供たちのおみやげですが、小さな人形などがありますか。きっと悦ぶと思います。 それから、子供たちへの手紙見せましたよ。羊に赤や緑の色がつけてあるなんて変だね、羊がかわいそうだなーといっていました。 もう6日になりました。あと2週間を切りましたね。少しのんびりして疲れをとった方がよくありませんか。といっても帰るまで目いっぱいがんばるんでしょうね。 それでは、また、夜にでもメールを出します。 眞弓 【インバーネス】 mail 7014:unp063 su 9:00am 6 Inverness 今日は少し寝ました。 ここは朝飯がないので、かえってゆっくりできます。 これからシャワーでも浴びようと思います。 子供たちが喜んでくれて、よかった。 小物も少しずつ送りますね。 ただ、高いのを買わないから、送りづらいこともある。 高いものだと、税金を引かせて、向こうに発送させることができるけど、安いものは自分で荷造りすることになる。 つまり、壊れものだと、どうも不安でしようがないし。 そんなわけで、壊れようのないものだけを送っている次第です。 また、ある程度の量も必要だしね。 郵送料が10ポンド以上はかかるから。 今日はまたネス湖の方の道を通って南下し、グラスゴーに向かいます。明日は、また強行軍で、マンチェスターかリバプールに着きたいな。そして、明後日はオクスフォード、それからロンドン。 こんな感じの予定です。 だから、明日距離を稼いで、9日中に帰りたい。 まあ、車は電話すればイクスペンドできるし、もう、用事で言葉には困らない自信はある。 でも、ロンドンをもう一度体験しておかないと、田舎ばかりだったから、感覚が少し緩くなっている。 このへんの人は、みんな緊張感が足りないようだしね。 ネッシーに会えるようにお祈りしていてください。 ところで、UFOとは2回遭遇しています。 両方とも同じタイプ、銀色に光って浮かんでいました。 高速運転中なので、注視するわけにもいかず、ただ飛行機とは違いました。後は、気球の可能性もあるかな。 しかし、この真冬のイギリスに気球はね。 飛行船とは違いました。 グライダーにしても、滞空時間が長すぎますし、動かない。 あれだけ空中に止まっていられるのは、ちょっと考えらない。 だから、気球を頭に浮かべたのですが、おそらく東京で鏡子たちと見たタイプのUFOだと思いますよ(どういうわけか、小生、UFOは何度も見ているのです)。 では、おみやげ、がんばります。 さとし、はのぐあいどうかな。 鏡子、おとーさんが見ているものを、夢の中でそうぞうできるかな。 皆さんによろしく。 後は夜の通信になります。 【東京】 To: LBH050 (10084:LBH050) From: UNP063 Delivered: Tue 6-Dec-88 15:04 GMT Sys 7014 (11) Subject: '0:05 midnight' Mail Id: IPM-7014-881206-135730001 Acknowledgment Sent 「おみやげ、ありがとう。お父さん元気ですか。UFOを見たってほんとですか。こんど見たときは、写真を撮って送ってね。 鏡子 お父さん元気、おみやげどうもありがとう。ネッシーにあったら、写真撮ってね。歯はだいぶいいけど、歯医者さんに行くのはちょっぴりいやです。でもがんばるね。 聡」 というのが、子供たちからのメールでした。 今日はグラスゴーですね。ここまでは地図によると近そうですね。今日は少しのんびりして、明日への英気を養った方がいいようですが、いかがでしょう。 マンチェスターやリバプールまではかなりありますね。こちらの方は前の時と同じように、行けども行けども同じような丘が続くのでしょうね。また、赤や緑の羊がのんびりと草をはんでいるのかしら。 ところで、お義父さんは困ったことに、玲子さんのところへ2泊して、今晩は箱根の温泉へ行ったそうなのです。もちろんSRさんには連絡してないと思います。緑字斎さんにいわれたようにきちんと読み上げたのですがね。私からはそんなに強くはいえませんし。とにかく帰ってから、木曜日にでも電話してもらいましょうね。 P*誌の仕事は、Hさん以外は連絡しました。Hさんは何度電話してみてもいないのです。しかたないですね。Uさんに伝えてもらおうかとも思ってます。 Uさんの電話番号を探すのは苦労したんですよ。まず、MHさんに聞いたところ知らないといわれ、SBさんが知っているだろうというのでSBさんに電話してやっとわかった次第です。Kさんにも電話番号を伝えておきました。 SBさんが、相変わらず荒々しいのが好きだな、20年間少しも変わらないと、スコットランド旅行のことを評してましたよ(SBとは、10年ほど前にアメリカ、メキシコ旅行をしている)。 二人とも帰ってきてさっそくセーターを着てみせてくれたので、おばあちゃんがとてもかわいいと喜んでいましたよ。このへんではちょっとないねとほめていました。 では、明日の朝、時間があったらできるだけメールを出します。 眞弓 【グラスゴー】 mail ar 7014:unp063 su 6:30pm 6 Glasgow 距離は結局近くはなかった。 完全な山の中で、着いたのが6:00。 やはりいつもと同じだね、ははは。 しかし、またすごい体験だった。 ネス湖は昨日一周したからいいんだけど、それからがすごい。 Loch Lochyだったかな、また湖が続き、それから山の中に入った。 アイスバーンになっていて、げんこの形をした山塊がどしんどしんと地にばらまかれているようで、その上に雪がかぶさっている。 そして、あのGlenだ。スコッチの頭につくやつだ。谷を意味するのだが、これがすごい。 さっきの山が両側から、前から後ろから天からこちらに降りそそがんばかりの急峻な山稜を迫らせて、もう、道の先や後ろがどこにあるか分からない、そんなふうに完全に包囲された。 まるで、もう二度とこの谷底からは出られない。 日は遮られ、突然暗くなり、冷たい風がさらに冷たさを増した。 そして、驚くことに、このあたりの枯れきって、湿った冬の野に、羊たちが、ばらばらに放牧されている。 ところで、羊に塗った色だけど、部分的に少し塗ってあるので、なんか汚らしいな。また、全部の羊ではないからね。 岩の塊が、あちこちに転がり、瓦礫が転がり、赤い土がはだけ、だが土はまるで溶けているように、存在感がない。 あたかも、枯草の株がいたるところに根を下ろし、強い風に姿勢傾かせ、後は濡れて凍ったごつごつとした光る岩肌、白と黒の混じった石やその塊。 まるで、僕はそんなとてつもないロケーションの中で、擂鉢の中の何か地の果てのとんでもない古代の時間の中にいるような気がした。 この荒涼は、ほんとにぞくぞくするほどのものがある。 そして、谷の間を抜けていくと、今度はMoor。平らな丘のサミットには見渡す限りヒースが貼りついている。ここもまた、なんという不思議な景観。 広く、平らな丘の上には、わけの分からない巨岩がごろごろしている。 この高みに、岩を割って、ゆるやかな川が流れ、おそらく涌くようにして、流れていくのだろう。 このあたりがじめじめとしているのは山塊が岩だけでできているからだ。水の貯めておくところがないんだ。ヒース全体が泥のような存在で、しっかりとした土というようなものがあるとはとうてい感じられない。 ここは、どうも古代の水底を思わせる。這うような水ののろい流れが、硬質の地の岩を抉りながらわずかな傾斜を求めている。その巌の切り口は濡れて、氷のように寒々とした白い光を返している。 また、荒れ野のようなヒースの海の中にごろごろしている岩の塊は、何か、得体の知れない異文明の遺跡ででもあるのだろうか。 ああ、こんな景色は見たことがない。 とりあえず、ここまで。 今日は予定のホテルを探す時間がなく、道を聞いたおまわりに、ついでにホテルを教えてもらった。 安いのは無理でした。 Stakis Ingram Hotel Ingram St., Glasgow G1 1DQ tel. 041-248 4401 明日は早く出なければ、今度こそ困る。 だから、飯でも食いにいきます。 もう、1000マイル走りました。 この町で、少しましなものを買おうと思いますが、また買えるかな。 寝る前にもう一度書いておきます。 【東京】 To: LBH050 (10084:LBH050) From: UNP063 Delivered: Tue 6-Dec-88 22:37 GMT Sys 7014 (11) Subject: '7:40am 7' Mail Id: IPM-7014-881206-203600001 Acknowledgment Sent すごいところですね。探しても日本ではおそらくないような光景ですね。 ちょっと想像できません。ここのところこればかりいっていますが。 写真撮りましたか。急いでいたのでそれどころではなかったかしら。 実は、きのう9時30分ごろ、お義父さんから電話がありました。 SRさんにはまだ連絡していないそうです。帰ってから電話するといってました。温泉に入って広い風呂で手足を伸ばしているから、足の調子もいいといってましたよ。 こちらはこれから子供たちを起こして朝の支度です。なかなか起きないのは、相変わらずです。鏡子は学校にセーターを着ていくそうで、珍しく寝る前に準備してました。 聡は、保育園では着られないので、ちょっぴり残念そうです。 では、またこちらの夕方に。 少々ねぼけているかあさんより *** 前頁 次頁 |