緑字斎一家、アメリカ大陸横断記 03 |
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7月23日 朝、9:00出発、いよいよ旅が始まった。 最初にめざすのはカリフォルニア州の東の境界、Needles。 延々たる砂漠の中を300マイル、すごい行軍だった。車はとても快適でいいのだが、それでもこの炎暑はただものではない。クーラーも思ったほど利かない。 時速70マイルくらいでの巡航運転。しかし、ゆけどもゆけども砂漠、もっともこのあたりは乾燥地帯特有の枯れたような植物が生えていた。そして、岩山、岩の丘、その間をどこまでも直線で続く、インターステイツ。左側、つまりインタースタイツの北側を貨物列車が何十輛ものタンクやらコンテナを曳いて、これもいつ果てるとも知れない砂漠の中を、小生の車と並んで、抜きつ抜かれつを繰り返していた。 ワイフも最初のうちの感激もどこへやら、地図を膝に広げたままうつらうつら、子供たちに至っては窓の外の景色どころか、ピーピーうるさく電子音をならして、ICゲームや持ってきたドリトル先生航海記なぞを読むのに夢中というわけだ。 いやはや、運転する小生はまさか寝るわけにもいかず、砂漠の景色を見続けていた。 Needles。いやあ、こんな田舎町にくる日本人はまずいないのだろう。ここでも珍しがられた。 もっとも、日曜日のせいもあって、街の中はまるでゴーストタウン、モーテルもすぐに見つかり、ここは抜群。なにせ、待望のプールがある。 チェックインと同時に、みんなでプールに駆け込んだ。街の中は、ぎらぎら燃える太陽に舐め尽くされ、とんでもなく暑いのだった。 とても、街を散歩する気になるわけがない。とんでもないことだ。 さて、ここでも電話がつながらない。ここはなにか電話番号が最近変更になったみたいなのだ。部屋にはそのことに関する説明もないし、フロントはおばあさんが受け持っていて、機械の話は弱いようで、どうにもらちがあかない。 どうかけても、キャリア音は聞こえず、間違い電話の指摘とか、人声が返ってくるのだった。このまま、アクセスができないのか、なんだか嫌な気がする。 しかし、肝心の旅行記がなければお話にならないので、この際、いっぺんに書いておく次第。アクセスをいろいろ実験していたので、書く方がおろそかになっていたからだった。 あーあ、これを書いて、24日の朝7時になった。 前頁 次頁 |