見夢録: 2013年12月15日 北朝鮮の今後についてのフィクション

張成沢の処刑は8月の女優・玄松月処刑が布石のようだが、これで金正恩の周りには金正哲と金汝貞の兄妹と、粛清を仕組んだ小物の取り巻きがいるだけになったようだ。もちろん、叔母の金慶喜はもう出番がない。
これまで、戦略家といえば張成沢しかいなかっただけに、北朝鮮は最後の実質的な国家指導者(中国が直接コントロール可能という意味で)を失うことになる。
とりあえずは、3兄弟妹での寡頭体制と追従者の集団になるのだろう。しかし、今度は兄妹もさらに厳しい粛清に遭うことは目に見えている。追従者は血族の権力闘争も促進させ、小物政治家同士の抗争も激化させるだろう。そして、早晩、コントロールの効かない朝鮮人民軍の支配下に置かれることも。すでに、金正恩は軍の傀儡への道を歩みだしたのだ。
しかし、このことは中国が予想していたはずであり、この一連の経緯は金正恩が暴発を開始したとみるべきだろう。おそらく客観的に政治・軍事・経済を把握できず、金正恩の安易な願望と思いつきの国家経営がなされていく。いや、盲目の軍隊に引きずられて、崩壊が始まっていくことが推測される。
中国は北朝鮮政策を断念したのではないか。もはや、子供の遊びにつきあいきれないのだから。防空識別圏問題は、すでに数カ月前からこのことを予見していたことと関係しているという気がする。あるいは、尖閣列島問題もこれらと関係してはいまいか。
つまり、崩壊後の北朝鮮を一定期間(100年ほど)、韓国経由でアメリカの管理下に置くということだ。民族問題を焦眉の急としている中国は、崩壊後の朝鮮民族を受け入れることは不可能だからだ。そして、極東の軍事的緊張は国内政策でもあるからだ。
アメリカのネオコンは日本の軍事国家(世界の第2代理警察隊)化を目指しているのであり、それは中国との戦争を想定しているのではない。中国はそれを見越しているからこそ、朝鮮半島をふたたび取引材料にしようと考えているのではないだろうか。
韓国は女性大統領で権力基盤は脆弱になっているので、中国は直接アメリカと取引しようとしているように思える。ただ、香港のように、西側に預けて経済成長を遂げさせてから100年後に改めて世界分割をしようという計画の下に。
日本の軍事国家化も、米日のネオコンと中国の談合の下に仕組まれているという仮説だ。