擬宇宙論:5401: 次元を折り畳む

次元を折り畳む

折り畳むということは、スライスしてクランチすることになるのだろうか。
つまり、1次元ではあるサイズで丸めて折り畳んでこれをめり込ませ、2次元では1次元ごとにスライスしたものを2次元座標上で押しつぶしていく。……
このとき、重なった次元の折り込まれた部分は圧縮されながらも実在している。
多次元でも同様に、次元の数だけ、あるサイズにスライスされた次元がそれぞれ押しつぶされ、次元空間にめり込みながら圧縮されていく。
さらに、この座標点がサイズの存在する方向に、次々に重なり、押しつぶされていく。
重ねるたびに押しつぶされるので、エネルギーは加重されていく。このエネルギーを閉じ込めるのが「ひも」という概念になるのかもしれない。
だから、ひもは極小を締めつけるエネルギーから極大を束ねるエネルギーまで持っていることになる。
カラビ-ヤウ図形とは、このスライス-クランチを数学的に表したものであるような気がする。
また、忘れてはならないのは、このとき座標点は始点からサイズ方向にプランク・サイズ分移動していくということである。
もしかすると、プランク・サイズの次元の重なりにあらゆるサイズが呑み込まれていくということを示しているのかもしれない。
フロップ転移の時点でも、転換のタイミング自体のサイズもゼロではなく、ゼロの近傍なのではないだろうか。
「無」というありえない地点のすぐ近くを極小という実在がぐるぐる回っているのをイメージすることができる。つまり、ドーナツのように、実在のひもでできた空洞の周りをひもが締めつけているのである。
このとき、ひもが締めつけてできた空洞は「無という実在」ではなく、ひもの「有サイズ」から生まれる隙間、「ずれ」であるのかもしれない。

[作成時期] 2007/02/22