緑字生ズ 111 (?蔭に日向に声かけて)

111

?蔭に日向に声かけて
 叩き起こして死するなり
 おれはおれの死を叩き売り

眼をあら
死水で雪ぎ、ひたすら黙す
誰も見ていないから呑気なのだ

ホトドコロ
魂のもつ腐臭、虫の涌いた布
風のままの生涯 その音色

ああ おれの手は全季節の果物だ
剥がれた肉はひからびて
男とも女ともつかぬ白骨