緑字生ズ 145 (はだけがみ。)

145

はだけがみ。
うららかにむれつく樹脂の匂い。
裸のまま遠ざける。女はうがたれたまま足首をひねる。なめくじを越えた全身舌。
わたしから脱け出した悪魔よ。自在で、硬直した、曲折のセヴィーニエ。それぞれはそれぞれだ。
流木よ、還らねばならぬうつせみ、その笑い。行為の思考。裏打ちされているもの、囚われのシャトレーヌ。下向意識の収斂される場というがまがえるが不鮮明にされ、空間的な拡がりの仄めかし。
ああ、乖れる肉体のアカシア未生。
断続する精神が形成する尾根。動態としての連繋作用と、それを織りなさざるをえない不連続の連続の接点を尖らす、時の底に流れる深さ。逆しまに裏づけるもの。等価でも等質でもなく、empiricismを予知によって逆証するでもなく、女のかかとの構造がことばを越える。
銀の鎖が透明な硬さを保ちえたのは、子宮願望の向こうにあやういballoonを予感したから。自動小銃からばらまかれたennuiは抵抗だが、抵抗は梅雨空とかかわらない。そしていま、帆に満つ風の声。
トコウマシテッケザアドナゴンベコジタレフリアノカッコタレフリアトマカナタレフリアトウソシタレフリアトタカキイタレフリア。
そしりはしり、それが航海のはじまり!