未刊行詩集『空中の書』16: 酔眼の微笑

酔眼の微笑

眼の中に点々と注がれるものが純水であるとするならば、おまえたちの滂沱はいまや軽快なる天使の貌。

眼の泉に滾々と涌き出るものみな純水と呼びうるならば、おまえたちの滂沱はさながらに軽快な天使の貌。

てのひらの道は過去に通じ、未来の建物を影の細部まで映している。おまえの名こそ人知れず朽廃の光栄をもたらすものなれど、ここは酔眼の微笑が愛撫のとき。