擬宇宙論:5510: 層状宇宙

層状宇宙

宇宙面を球体の表面になぞらえたとき、この球面が重層しているとすれば、このような形に膜状宇宙が複数、波のようにゆらめいて存在しているというイメージはありうるのではないか。
物質の発生が、真空のゆらぎから物質・反物質の量子過程を経るとするなら、この高エネルギー状態の真空がその前提にあると考えうる。
この真空は無から量子論的に発生していると見なせるなら、重力の総体は無と真空との間にわたるのではないか。これは、真空を球体にイメージすると、この球体の芯から物質・反物質の球面が生成され、重力は分裂して球面エネルギーと関与するに違いない。
これらの物質が、確率的なゆらぎによるインフレーションで現在の宇宙面を形成していく過程であるとすると、この宇宙の因となる真空の内部にある全重力に対称的な反重力エネルギーが生み出されて、新たな原因物質が生成され、これがさらに副次的な宇宙面を現在の宇宙面の球内に生みだしていく。これが重層的な宇宙面となり、膜宇宙をなしていく。
インフレーションの規模は不確定であり、空間速度は現宇宙面をしのぐ可能性はあるが、現在のところ、超えてはいないようである。
翻って、真空というエネルギー体は無から量子論的過程を受けるのであるから、これもまたある統計的な確率で登場するはずである。
パラレル宇宙は、物質‐反物質過程、宇宙の対称性、真空を根源にした層状発生、無から断続的に生成する真空体、などの形でつくり出されるというアイディアである。
重力は、エネルギーの総体をつくるものであるから、これらの段階のそれぞれに関与し、宇宙の質量問題はこの可能性を計量しなければならない。
四つの力のうち三つは一個の宇宙面で統一できるが、重力はこれらの膜面すべてにわたるとすると、一宇宙面では統一できないエネルギーなのではないだろうか。

[作成時期] 2010/01/20