連詩 迷い未知 二

 二

重なった記憶はあまりに乾涸びて、欲望に充たされるかどうか。

ああ。夢の中でさえ、俗事に囚われてしまった。覚醒した状態で見ているはずなのに。

こんな明確なのは初めてだ。

あ、この話を鏡子と電話アプリでトークをしていると、光の玉が左目の端に顔を出した。

あのころから、わたしは心からテロリストになることを夢見ていた。

こんな当たり障りのない告白

もっとも小さなものこそ世界の入り口だとささやくと、瞳を光のかたまりにして、きみはぼくの眼の中に宿り始めた。そうだったね。

現実にないものが小さないくつかの光になって、目のまわりを三十分くらい回っていた。

シャボン玉のような泡が眼の端からこぼれて、金色の球体となって浮かぶ。