連載【第002回】: 散文詩による小説: Dance Obscura: Invisible 2

 Invisible: 2
 来たるべきものはたしかに「部分」のうちにあるのだろうし、あなたはその来たるべきものに違いない。しかし、来たるべきものは来ることはないし、いつも私の外側にあるものだ。
 また、それは無垢というものと関係があるのだろうか。私が無垢でなければあなたが無垢であろうし、あなたが無垢でなければ私が無垢であるということなのか。そもそも無垢であるということは許されざるものなのか。そして、そのことが侵襲される理由であるのか。それはこちらとあちら、私とあなたがひとつになることを拒むもの。

 私が考えているのは、あなたがこの議論の内部にあるのではなく、表層を部分に持つ、見えないもののその表層の部分なのではないかということだ。だから、私が問いかけるあなたとは、私の影であるというべきではなく、独立した表層の部分というべきである。

 あなたはどのような場合でも、あなた自身である。そうだ。私が問いかけようとしたのは、そのことなのだ。「私はあなたであるか?」「あなたは私であるか?」あなたはすべての場合において、あなた自身の何ものでもないのだから、私はあなたではないし、あなたは私ではない。(つづく)