旧作:197302: 拒否方程式

かすかな音のふるえ
かすかな声のふるえ
レクイエムのふるえる旋律

君らの生活のうちで
知られえずにえられていた
だから 水彩の踏絵のように
意識の尖端でふみこむと
肉体を
へルの底から貫く光
光の戦慄!
拒否方程式が
君らの空のへりをつくるガラスや
君らの内部を埋める零を
葬っていた
青銅の磨かれた断面をすべりおちる空
金属性の繊毛に被われた 拒否方程式の
本体 やさしくつつむ死の夢が
君らの中の君らを
葬っていた

飛翔!
おおきく開いた翼
胸いっぱいの虹をふるわせ
ふるえる光をふるえぬき
火の鳥のおおきなあくびが
地球をおおきく孕んでいた
だから それは深い寂寥にたたえられた
鏡の球体 その表面を
すべる拒否方程式の
あかくもえたつ虚根の炎が
地球を裁断していた
火焔の森!