鬩ぐる
鬩ぐりながら熾烈される
宿運を復讐され
茫々する橄欖
いつか 海原から流亡
たそがれ還す梟首の昇り斑
鮫ぐる血を散らばり
さすらわれる薔薇
鬩ぐれよ
高波を揉まれて
鬩ぐられ 歴史する証よ
はじける明星の微笑みかえし
豊熟すぎる鬩ぎの
やや醒めてみよ
柊の放流
宇宙塞じから季節
擾乱 いまだ夢
夢の現実
やや醒めよ朝
朝から拝胎させて
日没まで――
非在……
非在が
おお 呪われて鬩ぐる……
(1972.6.15 白昼)
(初出 詩誌『立待』第8号/昭和48年9月刊/発行者・佐藤泰志 1973)
[作成時期] 1972/06/15