草稿●相反する類似

 重力は、エネルギーの総体をつくるものであるから、これらの段階のそれぞれに関与し、宇宙の質量問題はこの可能性を計量しなければならない。四つの力のうち三つは一個の宇宙面で統一できるとしても、重力はこれらの膜面すべてにわたるとすると、一宇宙面では統一できないエネルギーなのではないか。

――一点に重なる。
 重なるということは包含されるということとは異なっている。
 包含は全体性の概念だが、重なるということは独立[自立]存在でありながら、全体性とは反位している。
 あらゆるそれぞれの存在は一点に重なり、同化していない。包摂されていない。押しつぶされているが、外延的なすべての一点が別々でありながら全体性を超克しているのである。
 時空も宇宙論的次元も極小の始元も、ただ一点に収束している。
 これが存在のほんとうのありようなのかもしれない。