重奏低音

ゆっくりと ゆくりなく
宇宙の彼方から 降りおりた岩塊
地球の侵蝕によりりか
いびつな重力の形を あらわに
捻じ曲げら 鈍重な立体の

軸ずれを起こし 地球も
運動系システムの 暗いくらい
情熱(パッショネート)に
ひっつかまれいまに
裂けるいまに
割れるのか のか
生涯の破滅は 約束されて
だからか

ふかい海底に ひかりを
おびた紐 生物がひそんで
海の塩が濃密になりなり
動きを封じて
ひかりも
閉じ込められた耀きもと

地底に減り込んだ あと
べつの世界に 凍結し
放置され 生物的と
いわない鉱物の かたち
凝縮した時間でも
永遠のかたちで つるんと

重力をたたえた 水とみず
静かに反射する ほし星ほし
ふたたびみたびよたび
みずみずにとらえられ
宇宙のみみず運動を つたえて

宇宙をひていしようにも
もう運動するので ありつづけ
ふたたびみたびよたび
永遠をまっとうし ついには
果てるのの 永遠を
奪われようも 存在
そのものの 変わりはないの ない