デリュージョン・ストリート 11 (妄想ノート) 妄想の破片

妄想の破片

〈魂の形態〉勾玉、渦、光の渦。頭部の形プラス尻尾という構成。首から下の肉体は尾部の発達したもの、末端。光の渦は無を中心に持つエネルギーの形、ブラックホール。渦の動的な姿を示す尻尾、精子。卵子は受け容れる器。精子というエネルギーが卵子という器の中で充実し、外枠を押し広げて成長する。/
宇宙の卵殻の中で散在している光の渦が、受胎空間の中を移動する。一箇の光の渦が閉じられた宇宙であることから、この移動は〈横切る〉という飛躍。/
人間の形は女性的だが、繋がるべき生命力の形は男性的……。/
〈生命装置〉のradicalな発現は、(1)生命の実現、つまり細胞レベルでの分裂・増殖の正のベクトル、(2)生命活動の抑制という負のベクトルに代表される。生命活動とはこの正?負の機能を同時に支えることに他ならない。生命遺伝子〈オンコジン〉。生命の正?負の機能の原因として、この物質が装置されている。/
〈ガンという疾病〉は生体に異物を対峙させるという、(2)の一方法。オンコジンは、発ガン因子(イニシエーター)をガン化の記憶を呼びさますものとして、発ガン促進因子(プロモーター)をその記憶の連続性を保証するものとして、日常的に用意し、これをコントロールする。/
ガン自体は純粋に異細胞の〈生命活動〉であり、宿主細胞は異細胞の側から見る限り、エネルギー源としての生体の維持に不可欠の要件である。だが、〈ガン細胞〉の自己目的はガン細胞自身の構築性にあるわけではなく、負のベクトルに対する生命活動の正方向という抑制を解放することにあるので、宿主細胞の維持は過渡的なものである(初期ガン以前の段階、ガン細胞の数が数十万箇に達して疾病として活性化するまでは、逆に相互の維持作用が必要であること。異細胞の存在がγインターフェロンなどの免疫物質の誘起によって、活性化に至らない疾病因を排除すること)。/
この過渡性、オンコジンの正?負の領界における指令の傾きに関与する自然年齢。ガンの疾病化の始まりを示す中心帯。近代までの生命時間、五十前後と対応。/