擬宇宙論:4901: ものの誕生と復元力

ものの誕生と復元力

何もない状態からまず二つの状態に引き離されるためには、何もないことと宇宙的規模の何かあることとに釣り合う規模の大きなエネルギーがなければならない。そして、この巨大な釣り合う力は飛び出していくと同時に元に戻ろうとする。つまり重力は元に戻ろうとする力、復元力であり、そこから生じた物質のそれぞれはさらに引き離され、またそれぞれにネズミ算式に引力を分割、分裂、多出させる。これはまたエントロピーの正体ではないだろうか。
物質は分割、分断されることで、+?の重力エネルギーとそれぞれの元の記憶(情報)を保持し、宇宙膨張をもたらす。しかし、その+?の力の限界(力は無限ではなく、発生したときの総量のバランスであるに違いない)で復元する方向へ収縮するのだろうか。
問題は、ある物質がある力で分割されるときに、引き合う力、つまり元の物質の情報を保持する重力が生ずるということであり、その最大の力こそ、最初に真空から分割された物質間で発生するものだということである。
重力はひものように二つの物質を結びつけ、そこにある力とは「復元の情報」なのではないか。
この復元のひもが断ち切られたとき、その物質は元の重力、宇宙から逸脱して別の宇宙へ、あるいは新たな宇宙の始源となっていくのかもしれない。
ひもには、その宇宙の始源からもともとひとつであった、分割されたあらゆる物質の結合経路が刻まれているのではないか。

ちぎれた粒子のちぎれたひもは、新たな真空で、ちぎれたひもを修復しようとする。そのため新たな反粒子が生まれ、新たな粒子-反粒子のペアができる。ここに新しい物質の連鎖が始まる。

2007/09/06